800年続いた「皆地笠」の歴史が終わります

Writen by 杉原 功修さん

人伝に、田辺市本宮町皆地で「皆地笠」(みなちがさ)のただ一人の作り手である、芝 安男さん(県の名匠、黄綬褒章他を受賞)が99歳になり、伝統工芸品の皆地笠作りをやめると知りました。

この笠は平安時代に源平の戦に敗れ熊野まで落ち延びた平家の公家達が、日々の生活の糧にと紀州の良質の檜材を使った笠を編み出した事から始まります。

笠に由来が書かれた紙がありました

特徴としては

①素材は主に檜で、一部分に補強用の竹と桜皮を使用し、全てが天然素材であること。
②軽くて丈夫なこと。(竹の笠は重いです)
③雨の日でも使用できること(檜自体に油を含んでおり雨を弾きます)
④使い込めば艶がでて深みのある色(赤茶色)に変化すること。

この特徴から農民は勿論、特に熊野詣を行う人々に喜ばれ、使われました。

身分の高低に関係なく広く愛用され、「貴賎笠(きせんぼ)」と呼ばれましたが、いつからか産地の名をとってまたの名を「皆地笠」ともいわれるようになったそうです。

これの最後の作り手である芝さんが、今回おやめになることにより、平安時代から続く「皆地笠」800年の歴史も幕を下ろすことになります。

芝さんが作られている「皆地笠」です

数十年程前の夏に牛馬童子付近を歩いていた時、道の駅中辺路で初めて見て気に入りました。

購入しようとしましたが、持ち合わせが足らず。。近くにATMも無いので断念し大阪へ帰った事を思い出します。

聞いて道の駅へ急ぎ行きました。

偶然にも最後に入ったばかりの笠を購入する事が出来ました。

頭に当たる部分がうまくこしらえていて全然痛くありません、それに凄く軽いです。
檜の網目がしっかりしています。


生活様式、文化も変化していく中で、伝統工芸の関心が薄れてゆき、800年も連綿と続いた伝統が押し流されて行きます。。残念です。

芝さん本当にお疲れさまでした。

ありがとうございました。

この記事を書いた人

杉原 功修さん

大阪八尾市から移住して3年になるUターン組です。畑仕事を中心に趣味の帆船模型作り、アマチュア無線、真空管ラジオ・アンプ作りと田舎生活を満喫しています。暮らしを中心に田舎の良さをお伝え出来ればと思います。