夏の再会とホームステイの魅力

Writen by さとこさん

先日、朝の出勤前、裏山を見るとそこにぶら下がっているものが目に入りました。それは白くもあり、茶色くもある長いものでした。恐る恐る近づいてみると、それは死んでしまっている鹿でした。
このような出来事に遭遇するのは、やはり山奥での生活ならではだと再認識したさとこさんです。
皆様、ごきげんよう。

今年の夏の初めは懐かしの親子との再会や留学生のホームステイを重ね、有意義なものとなりました。今回は「さとこさん家の国際交流 第二弾」をお届けいたします。

7月下旬、私はフランス・パリからの同級生の親子とアメリカ・ロサンゼルスからの留学生のホームステイ受け入れが重なり、忙しくも充実した日々を過ごしていました。
パリからの同級生の親子は昨年、初めて龍神村を訪れ、約1週間滞在しました。彼らはその時から龍神に魅了され、今年も再び遊びに来てくれました。
滞在先の温泉宿の女将さんと嬉し涙の感動の再会を果たし、息子のイッセイ君は去年と同じく、私の娘が通う小学校に体験入学しました。イッセイ君は4年生なので、娘とは同じ複式学級にはなりませんでしたが、毎日楽しそうに通学している姿を見て、私もとても嬉しく思いました。
イッセイ君は全て日本語で過ごすのですが、ある一つのフランス語をこの小学校と我が家で流行らせました。
それは、どの時代の小学生男子も大好きなあの単語です。イッセイ君はその単語をキャッチーな自作の歌に混ぜて歌い続けたので、周りの子供達も大人も勝手に覚えてしまったのです。
とあるお母さんが私に言いました。「娘にフランス語の一つでも教えてもらった?って聞いたら、カカっていう単語を教えてもらった!って言うから、ええやん!なんて意味?」って聞いたら「う◯◯!」「なんでやねん!」となったらしいです。
子供達の心の深くに刻み込まれたこの単語。いつの日か役に立つ日が来たら良いですね。

以前、パラグアイからの留学生を受け入れる事業に参加した記事を書きましたが、今回は「公益財団法人 和歌山県国際交流協会」からの申し出を受け、ロサンゼルスから男の子のホストファミリーになりました。
23歳の大学院生カイル君は、紀伊大島の「島の先生」こと木野仲輔氏を祖先に持つ、とても紳士的で、バスケットボールと大谷翔平とビールが大好きな男の子でした。

積極的で英語にも興味のあるイッセイ君は、毎晩のようにカイル君を誘い、かき氷を食べていました。甘い物好きという共通点が二人の仲を一段と近づけたようでした。
私の子供たちも、イッセイ君の陽気な性格とカイル君のコミュニケーション能力のおかげで前向きになり、心を開くようになったと思います。

カイル君が帰国してから書いた報告書には、ホームステイで最も印象に残ったことの一つとして、龍神中学校を訪れたことが書かれていました。
子供とコミュニケーションを取るのが得意なカイル君は、常に笑顔で生徒たちの英語の発表に耳を傾けていました。

生徒の一人が「Do you have a girlfriend?」(彼女はいますか?)と質問をすると「No」(いないよ)と答えたカイル君。その瞬間「Oh nooooo」(オーノー)と同情の吐息が教室に広がり「Me too!」(僕も!)と叫ぶ生徒もいて爆笑の嵐となりました。(英文法の間違いは目をつぶってください)
カイル君は初めての学校給食を楽しんだり、昼休みには一緒にバレーボールで遊んだりして、短い時間ながらも学校での良い思い出ができたと思います。

龍神村内をドライブしたり、田辺市街のドラフトビール醸造所に飲みに行ったり、夜は子供たちとゲームを楽しんだりして、あっという間の3泊4日でした。
大学院を卒業した後、彼は大学で学生のカウンセラーになりたいと話しており、その道が彼にぴったりだと感じています。私は彼の夢を陰ながら応援したいと思います。

ホームステイではホストファミリーが3日間のスケジュールを立てなければなりませんが、和歌山にルーツを持つ子供たちが笑顔で毎日を過ごしてくれることがやりがいです。
娘は、初対面の外国の人が家に出入りするのは緊張するし、リラックスできないと言っています。ごめんね、娘よ。でも、母はこの経験がいつか良い思い出になることを願っています。そして、また次の機会があれば受け入れたいと密かに考えています。

この記事を書いた人

さとこさん

埼玉県出身。3年間の海外生活以外は実家を出たことがない。 子供英会話講師など英語に関わる仕事を続けて、友人の紹介でテレビ番組の翻訳業務に就き、テレビディレクターである今の夫と結婚。東京でのママ生活を満喫していた。ところが、2012年夏、夫の「龍神村へ移住したい」の一声で当時2歳の息子と3人の移住決定。今は長女にも恵まれ、親族も友達もいなかった関西の、しかも山奥での私の暮らしが続いている。