噂のコンビニに行って来ました

Writen by さとこさん

龍神の深い山の木々が、心なしか葉の色を変えつつあるように思えます。

青森の親戚からりんごが届いたり、近所の方から栗をいただいたりと、明らかに秋がやってきていますね。
我が家にとって今や高級魚と化した秋刀魚が、今年は購入しやすい値段となり、すでに2回も食卓に並べることができました。嬉しい限りです。

ここで少し、夏休みの終わり頃から最近までの龍神村での出来事を振り返ってみたいと思います。

8月の下旬には娘の通う小学校で親子行事の「鮎つかみ&BBQ」が行われました。これは日高川漁協さんのご協力のもと毎年行われて、子供達が楽しみにしている夏休みのイベントの一つです。

児童たちが鮎の一生、川の大切さなどを学んだ後、大きなビニールプールに放流された鮎を掴んで捕まえるという、清流流れるこの地域だからこそできる贅沢なイベントです。
捕まえた鮎を保護者たちが手早くシメ、手早く内臓処理をし、手早く串刺しにし塩を振り、じっくり炭で焼いてくれるのです。最高です。いつもなら魚を食べない子供達がモリモリ食べて親や先生を驚かせます。

鮎が身近だからこそ、世の中の鮎の立派な立ち位置をまだまだ知らない子供達。いつの日か、自分たちがどれだけ素晴らしく豊かな経験をしていたかを振り返り、自分たちの故郷を誇りに思う時がきたらいいですね。

10月初旬、龍神村初のコンビニエンスストアがオープンしました。全村民が未だ浮かれている状態です。

コンビニが出来るという噂が立ち始めたのは半年くらい前でしょうか。当初は「店内キッチンは無いらしい」とか、「からあげくんはないらしい」と聞いて絶望する人が続出したりだとか、「座敷があるらしい」とか、村民による憶測、期待が飛び交いました。座敷については「イートインという言葉を分かりやすく説明するために『座敷みたいなもんや』とか言ってそのまま ”イートイン” が ”座敷” と派生していったのでは?」と推測する村人も多数現れました。

ところで、みなさんはコンビニのグランドオープンに立ち会ったことがありますか?私はありません。この千載一遇のチャンスを逃すものかと、私は朝から化粧をバッチリし、オープニングイベントに間に合わせるかのように車を走らせました。村内に出来たと言っても我が家から車で25分はかかる場所です。(信号は4つですけど)

ちょうどコピーを大量にする必要があり、ハイスペックなマルチコピー機と格闘している最中にテレビのインタビューを2件受けました。コピー機に悪戦苦闘している姿がその日の夕方放送され、その晩、私の携帯は鳴り止まず、会う人会う人に「見たで。」と言われ一躍時の人となりました。たかがコンビニでも何が起こるかわからない、化粧をしておいて良かったなと思わせる出来事でした。

噂の座敷は実際にありました。この系列のコンビニに座敷があるのは、龍神村西店だけなのだそうです。

紅葉シーズンがもうすぐ始まります。珍しい「お座敷コンビニ」のある龍神村にどうぞ足をお運びください。お待ちしております。

この記事を書いた人

さとこさん

埼玉県出身。3年間の海外生活以外は実家を出たことがない。 子供英会話講師など英語に関わる仕事を続けて、友人の紹介でテレビ番組の翻訳業務に就き、テレビディレクターである今の夫と結婚。東京でのママ生活を満喫していた。ところが、2012年夏、夫の「龍神村へ移住したい」の一声で当時2歳の息子と3人の移住決定。今は長女にも恵まれ、親族も友達もいなかった関西の、しかも山奥での私の暮らしが続いている。