カブのポタージュ

Writen by 松本 麻佐子さん

久しくご無沙汰しております間に、まさかの結婚し、主婦になりました。

それまで、都会のOL時代は、ある程度の自炊はしたものの、そこまでの興味はなく、これなあなあとやってきたのですが、結婚しましたともなると、そうともいきません。

今まで仕事場で、主婦の諸先輩方の「今日の晩御飯どうしよー」をあれだけ他人事のように聞いていた自分に、今出会ったら、ほんとうに、大きな声で「バカヤロー!」と伝えたいところです。

そんなこんなで、主婦になって、2年半とちょっと。

龍神に住みながら思うことは、「今日はもう、回転寿司行こう」とか「スーパーで惣菜買って帰ろう」とか、急遽夜に思い立っても、車で往復2時間。なかなか、ハードルは高いものです。

結局、なんとかあるもので、今日の一皿を作るしかない。

今どきらしく、snsでインフルエンサーのテクニックを仕入れ、タイパよく、料理の下ごしらえは簡単に、さっさと。でも、ボリュームたっぷりの料理を作る、世の中は皆忙しいのよ、と言わんばかりの速さで、私は、料理を作って満足げでした。

そんな折、たまたま沢田研二さん主演の映画「土を喰らう十二カ月」を拝見することがあり、その所作を見た時に「私は今まで、どんな気持ちでその食材に触れていたのだろう」と、深く考えることになりました。

季節によって変わる、
雲の動きをただただ見つめること。

食材から土の味を感じ、
それを一緒に居る人と分かち合うこと。

山に出かけ、その季節の、その土地の、
旬に触れること。

ほうれん草の根っこは、主人公の師匠曰わく「一番美味しいところ」なんだそうです。それを見てから、根っこを頑張って綺麗に洗い、食べるようになりました。忘れていた、土の味がしました。

そんなことを思いながら、冬本番の今が一番美味しいと感じる、カブのポタージュを作るのが、今季の私のお気に入りレシピです。

今回は、産直市場よってっていなり本館さんで新鮮な野菜を調達。
(野菜も果物もお魚も、お手頃価格で、鮮度が良いので、よくお買い物に行きます。)

いつもこんな感じで山盛り、野菜を買います。

今日は、この立派なカブを2つ使います。

レシピは、ネットで気に入ったものを探しました。簡単にレシピを書きますと、

1.カブを綺麗に洗い、皮を剥かず、適当な大きさに切る

2.カップ4くらいの水、ローリエ1枚、コンソメ1つ、オリーブオイル大さじ1、塩1つまみをすべて入れ、30分ほど煮込む

3.刻んだカブの葉と、味噌大さじ1を入れ、少し煮て、豆乳を適量入れ、塩胡椒で味を整える

ほんとに、ザクザク切って、こんな感じでただお鍋に入れるだけです。

煮込んで豆乳を入れるとこんな感じになります。

今回は、カブと、マッシュルームが余っていたので入れましたが、カブだけでも十分に美味しい。

ポイントは、ストウブのような分厚めの鍋で煮込むことと、洋風のスープですが、味噌が入ることでコクが出ます。あと、30分ほど煮込んだ後、カブをあえて少し崩します。でも、潰しすぎない。食べる時に、ほろほろするのがたまらないです。

大根も美味しいんですけど、カブの、瑞々しくも、ほくっとした甘み、この季節ならではの一皿です。

もうすぐ大寒。

1年の中で最も寒さが厳しくなる時期です。ぜひ、このカブのポタージュ、試してみてください。スプーンで一口食べたら、あなたもきっと唸るはず。

この記事を書いた人

松本 麻佐子さん

田辺市龍神村出身。高校から村を出ていたので、10年ぶりの龍神村・田舎暮らし。家具屋の長女。関大卒、大阪での広告代理店勤務を経て、26歳の時にUターン。家業の「道の駅龍游」と「G.WORKS」を行ったり来たりの日々。どこに住んでも、いいとこ、あかんとこあると思ってます。でも、できるだけ「いいとこ」を見つけて、日々過ごしたい。このたなごこちライターを通して、私自身も地元の新しい発見ができたらと思っています。