旧暦の元旦

Writen by 松本 麻佐子さん

何が大きなきっかけかは全く思い出せず、最近、気になり始めたことの一つに「旧暦」があります。

龍神はとても夜空が美しく、カレンダーを見て、満月の日を調べては、外に出て、ぼーっと月を眺めることもしばしば。こんな楽しみは田舎ならではかなと思います。

旧暦はお月様の周期なので、月の満ち欠けが気になったり、昨年から、拙いながらも土いじりを始めると、庭や畑と、旧暦の暦が切っても切れないものだと知り、そんなにも昔の人が大切にしてきた「日本の本来の季節」というものを、改めて、生きているうちに感じてみたいと思い始めました。

年末に、旧暦の手帳を買い、‟ふむふむ”とひとりで、睦月から始まる手帳に心躍らせ、本当に無知な私は‟春節=旧正月=旧暦の元旦”だということを、そこで初めて知りました。

春節は、中国人の祝日というか、中国人だけの文化だと勝手に思っていた私はとても驚きました。

そして、中国人の歴史の深さに、やっぱり中国人はすごいなと、自分たちが大切にしていることは捨てることなく、今日まで生きてきて、ある意味、それはとても素晴らしいことだなと、思わずにはいられませんでした。

前置きが長くなりましたが、2025年の旧暦元旦は、1月29日でした。

たまたま、家族と休みが合い、「これは、神様が初詣に行けと言っているな」と思い、熊野本宮大社へ初詣に行ってきました。

龍神村エリアからは、車で1時間強かかります。道も分かりやすく、ドライブにはちょうどいい距離です。

到着してみると、案の定、そこかしこで中国語が飛び交い、それ以外の国からの観光客も多く、閑散期ではあるものの、賑わっていて、楽しく参りました。

大したルーティンではないですが、いつも、本宮大社にお参りに行った後、必ず、大斎原(熊野本宮大社旧社地)にも行きますが、実際には、特段、何も無いのですが、何かある気がします。

怖がらせる意味ではなく、写真NGで、看板にも‟ここから「聖域」です”という内容が書かれています。

その場に立ってみると、その通りだなと感じます。スマホや、外との繋がりから離れ、神聖な場所で、ただ立って風を感じるだけでも、心落ち着く時間になりますよ。

以前、その場所で、外国人さんがあぐらをかいて、瞑想しているところを見たことがありますが、「なるほどー…」と、妙に納得してしまいました。

そこから、川に出て、広々した土手を歩き、車に戻ったのですが、いつも思いますが、目の前に広がる熊野川も、雄大でとても素晴らしいです。

今回訪問した日は、ここ数日雨が少なかったため、川幅狭く、少し残念でしたが、普段は、龍神やこの辺では見られない、ワイルドさというか、スケールの大きな川に、毎回「改めて思うけど、人間って小さいな」と感じ、ほっと安心します。

‟日常のわたし”から抜け出し、‟新しいわたし”に出会う、とてもいいスポットだと思います。ピンと来た方は、今が行きどき!ぜひ、行ってみてください。

この記事を書いた人

松本 麻佐子さん

田辺市龍神村出身。高校から村を出ていたので、10年ぶりの龍神村・田舎暮らし。家具屋の長女。関大卒、大阪での広告代理店勤務を経て、26歳の時にUターン。家業の「道の駅龍游」と「G.WORKS」を行ったり来たりの日々。どこに住んでも、いいとこ、あかんとこあると思ってます。でも、できるだけ「いいとこ」を見つけて、日々過ごしたい。このたなごこちライターを通して、私自身も地元の新しい発見ができたらと思っています。