焦る今年の秋、でも急ぐ薪割に癒されます

Writen by 杉原 功修さん

今年の秋は、例年よりも空気がぬるく、木々の色づきもどこかのんびりしています。そんな穏やかな季節の中、移住して10年目の私は、これまでで一番焦る秋を迎えています。

季節の移ろいには敏感な私。いつもなら肌寒さを感じ始める頃には、薪ストーブの準備を終えているはずなのに、今年はすっかり出遅れてしまいました。気づけばもう10月も半ば。山の影が長くなり、風も少しずつ冷たさを帯びてきました。慌てて薪棚を見に行くと、去年の残りはほんのわずか。これはまずい!冬の寒さは容赦なく、薪ストーブがなければ家の中はまるで冷蔵庫のようになってしまいます。

急いで斧を手に取り、庭の端に積んである春に玉切りした丸太へ向かいます。一夏かけて乾燥させた丸太は、薪にするにはちょうどいい状態。でも、この薪割り作業が冬支度の中で一番きついんです。

夕暮れが早くなり、空が茜色に染まる頃、私はまだ薪を割り続けていました。手には豆ができ、腕はパンパン。それでも、大小の薪をストーブにくべる順番を考えながら、丁寧に棚へ積んでいきます。

不思議なことに、この冬に備える作業は、どこか心を落ち着かせてくれます。自然のリズムに合わせて暮らすというのは、こういうことなんだなと、薪棚越しに山を眺めながらしみじみ感じました。来年こそは、もっと早く準備を始めようと思います~。

この記事を書いた人

杉原 功修さん

大阪八尾市から移住して3年になるUターン組です。畑仕事を中心に趣味の帆船模型作り、アマチュア無線、真空管ラジオ・アンプ作りと田舎生活を満喫しています。暮らしを中心に田舎の良さをお伝え出来ればと思います。