「どうきん」とは?「どうさん」ってどなた?
外出自粛ですが、山奥に住んでいますと子供達は三密の心配もなく自宅敷地内で十分に遊べます。山奥に住んでいて良かったな、と思える瞬間です。
8年前、山奥、龍神村に住んで最初に立ちはだかった壁は「言語」でした。
幼い頃、関東育ちの私にとって関西弁はテレビで聞くだけで、大人になってから初めて関西出身の方と直にお話できた時は興奮したものです。。
しかし、私がテレビで聞いていた関西弁は基本的に大阪弁だったのでしょうか。。
和歌山弁が全く分からず、英語のほうが簡単と感じ、アメリカではホームシックにならなかったのに、和歌山ではホームシックになりました。。
大阪弁といっても地域によって多少違いはあるようですが、和歌山も同じで和歌山市がある紀北エリア、田辺市がある紀南エリアなどでも方言に違いがあるようです。
が、8年経ってもその差は分かりません。。
龍神は龍神で龍神弁が存在します。
田辺弁とはまた違うようで、ネイティブお年寄りとお話ししたら2割くらいしか分かりません。
幼い頃、青森にいる祖母と電話で話しても2割くらいしか理解できなかった自分を思い出します。
さて、移住当初はなぜ和歌山の言葉はこんなに分からないのだろうか、、と常に思っていました。単語が全く違うからという問題でなく、文章全体がもう理解しづらいのです。聞きにくいのです。
8年前、近所のおばあちゃんが、お孫さんの持病の話をしてくれました。『でんそく』という名の厄介な持病です。初めて聞く病名だったので世界に数例しかない難病なのだろうと心を痛めていました。
「あんた、でんそく知らんの?」
「はい、知らないです」
「咳が止まらんくなるんやで」
‥‥
「喘息ですか?!」
「そ、でんそく」
‥‥衝撃でした。
またある日、集会所で見つけたものがあります。
『どうきん』と書かれた薄汚い布です。
名探偵ばりに推理し、過去の方式に当てはめると『ど』→「ぞ」
真実はひとつ!
そう、これは「ぞうきん」!!
『どうさん』→「ぞうさん」、『どうど』→「どうぞ」、『でんでん』はムシムシではなく「ぜんぜん」。。などなど、「ざじずぜぞ」の発音が『だぢづでど』になってしまうことが、聞きづらさの1番の要因だったようです!
『げんだい』に関しては「現在(げんざい)」のはずがもはや『現代』、「アマゾン」からの荷物が来た時は『アマドンからです』と配達屋さん。
ああ、息子は保育園で『ど〜うさん、ど〜うさん、おーはながながいのね♫』と習ってきてしまうのではないか、と本気で心配をしました。
今でも、この法則を理解したうえでネイティブの方とお話をしても、まだまだ分からない言い回し、言葉はたくさんあります。
でも、最近私が気がついたことは、「ぜんぜん大丈夫」と言いたいのに『でんでん大丈夫』と言っている自分がいる事です。
意外に言いやすいみたいです。でんでん。
方言の面白話はまだまだありますので、また近々書かせて頂きます。