散歩で感じられる大地の営み

Writen by 杉原 功修さん

田舎暮らしの醍醐味の一つに、四季折々にその姿、色を変える景色を見ながらの散歩が有ります。

前に住んでいた大阪の八尾も自然の景観が残っていましたが、やはり田舎の圧倒的な自然の姿には何時も魅了されます。

そんな散歩で四季に姿を変える木々、花々に目を奪われていましたが・・よくよく見ると、平瀬付近は大地(地層)の姿のダイナミックさにも目を奪われます。

木々に隠れて何も無いように見えますが “凄いです!”

それを今回は紹介したいと思います。


先ずは「赤滑の漣痕」(あかなめのれんこん)です。

赤滑の漣痕

漣痕とは浅い海の底に出来た砂紋が、そのまま地層の間にはさまって堆積したもので、波の跡の化石です。リップルマークとも呼ばれています。

赤滑の場合は4~5,000万年以前(新生代第三紀)に形成された粗い頁岩の地層です。かつては海面下だった地層が、やがて隆起して陸になったということで、太古の昔は遠浅の浜辺だったのかな~。

調べると私の住む大塔地区(旧大塔村)は、背斜構造が大規模に現れている注目すべき場所だそうで、現在も東側からの圧縮で年1cm程度の変化が続いているそうです。

川や山肌を見ると、太古に深海で堆積した泥が岩と変化し何層にもなり、それが横や、斜めに露出し、大きな力で曲げられているところを見ることができます。

大地の時間を超越した営みには感嘆の声しかでません。

深海で堆積した泥が岩と変化し何層にも

 

また、家の近くでは「2段河岸段丘」と「還流丘陵」を同時に見ることが出来ます。

「2段河岸段丘」とは、山間から流れ出た土石流が、氷河期・間氷期という暖かい時代の影響を受け堆積し、平野の隣の更に近くの川の沈降によって作られる段丘のこと。

また、「還流丘陵」とは、川が穿入蛇行する過程で、洪水時などに湾曲部と湾曲部が接近した部分で切断され、ショートカットされた新たな流路を河川が通るうちに、支尾根から切り離され独立した小山が作られ、それをこう呼ぶそうです。

家の近くの2段河岸段丘、還流丘陵(右)


私が暮らす地域の連綿と続く大地の移り変わり。。

そんな大地に鍬を入れ、畑を作り恵みを頂いていると、私も周りの植物、動物、昆虫と一緒で大地に生かされている! と思う毎日です。

この記事を書いた人

杉原 功修さん

大阪八尾市から移住して3年になるUターン組です。畑仕事を中心に趣味の帆船模型作り、アマチュア無線、真空管ラジオ・アンプ作りと田舎生活を満喫しています。暮らしを中心に田舎の良さをお伝え出来ればと思います。