熊野古道好き移住者の田舎暮らし
私が住んでるのは熊野古道の聖域の入り口、滝尻王子のある峰(みね)と言う集落です。
約12年ほど前から何度か熊野古道を観光客として歩きに来たことがきっかけで、ご縁を頂き千葉県から移り住むことになりました。
自宅は山を少し上がった標高250メートルくらいの場所。自宅前から見える景色には、移住して3年目を迎えようとしていますが飽きることはありません。雲海や虹、雨上がりに山から上がる雲など、足を止めて写真を思わず撮ってしまうことも少なくありません。
紀南エリアの山間部に住むということは、都会に住んでいた私にとっては物凄く勇気のいる一歩でした。
和歌山県の紀南地方はまさに僻地。今でこそ熊野古道など観光資源が注目されていますが、私にとっては何度か訪れてるとは言え、生活するとなると未知のエリアでした。
峰区は滝尻王子はあるものの、熊野古道は集落内を通っておらず、市街地の方も場所がわからないと言われる小さな集落。しかしながら、昔から御山の入り口と言われるだけに、市街地が思うより近く車で約30分、一番近い大型スーパーまで車で約20分。近所のスーパーなら車で5分。山間部とは言え、それなりに満足な暮らしができています。
都会では感じられなかった季節を感じ、生き物の豊かな自然の中で生活することは慣れてしまえば不便さも楽しく、インターネットが普及している現代では情報に関しても目を見張るほど遅れることもありません。
自然の驚異を肌で感じることで、なんとなく他人事だった環境についても気になるようになりました。頂ける食べ物の美味しさに感動して、生きてるものに感謝することが増えました。
田舎への憧れと言うより、熊野古道を訪れる観光客の役にたちたい!と言う情熱だけで移り住んだ私にとっては、毎日が知らなかったことだらけで、田舎の生活は驚きや感激の連続です。
普段は小さなカフェを営業し、熊野古道を歩きに来たお客様たちをおもてなしさせてもらってますが、地元ならではの熊野古道の楽しみかたや、些細な生活の驚きや発見、住んでみなかったら知らなかった素敵な場所を紹介できたらと思ってます。