子連れ移住事情~小学校編①

Writen by さとこさん

前回の記事で「うちの周りではミンミンゼミの鳴き声がまったく聞こえない」と書きましたが、現在、ミンミンゼミの鳴き声をたくさん聞きながら記事を書いています。(9/1現在)

どうやらこの辺では、埼玉・東京よりもミンミンゼミは少ないけれどもゼロではなく、土から出てくる時期が少し遅いのかもしれない、という結論に至りました。



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さて、これまで短縮授業だった龍神村の小学校も9/1から久しぶりのフル授業になりました。

母は毎日のお昼ご飯作りからやっと解放されます。給食システムに感謝です。

子供たちが通う小学校

今日は龍神村の小学校事情のお話を少ししたいと思います。

龍神村には保育園は3つ、小学校は4つ、中学校は1つ、高校(南部高校分校)があります。

龍神村は川沿いに細長いので学区が広く、小学校は4つくらいないと難しいのかもしれません。(昔は保育園、小学校、中学校も今より多かったのですが閉校してしまいました。)

うちの子供たちが通う小学校の今年の全校生徒は24人です。ですから、1.2年生、3.4年生、5.6年生で複式学級になっています。

都会ではあえて「複式学級を取り入れる」「縦割りを大切にしていく」などをうたう学校があるくらいなので、移住者の私からしますと、龍神の小学校はある意味最先端でおしゃれだなと思います。


複式学級のメリットはたくさんあります。

たとえば、息子が小1だったころ、2年生が習っている掛け算を覚えて帰ってきたことがあります。来年自分がこんなことが勉強できる!と楽しみにしていました。

また、基本的に担任の先生が一人なので、先生が6年生に教えてるとき、5年生は与えられた問題を各自で考え、その後クラスメイトと話し合い、共通の答えを導き出し、黒板に書いて後ほど発表する。などのスタイルが取られます。

人数の少ない複式だと自分の意見を言いやすいですし、何より子供たちが「ディベートなんじゃないかな?それは?」というような立派な話し合いをすることもあります。それが通常授業で何気なく出来てしまう複式学級に私は感動したものです。

多くの皆さんがそうだと思いますが、私が小学生の時は単式クラスでした。1クラスも35人くらいでしょうか。1学年に3~4クラスあるのが通常でした。

小学校


息子が2年生の時の話です。宿題で算数の問題文を読んでオドロキのあまり叫んでいました。

「えりさんの学校の1年生は215人です。2年生は1年生より20人多いそうです。2年生は何人ですか?」

という問題です。息子はどうして叫んだと思いますか?

①簡単すぎた

②難しすぎた

③生徒数が多すぎて仰天した

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そう、答えは③です。

息子のクラスメイトは5人なので、生徒数にビックリしたのです。

「え?そこ?」と思った母でした。

実際の問題

いまどきの宿題に「音読」というのもがあります。国語の教科書を親の前で読むという宿題です。

これまた息子が2年生のときのお話です。

かの有名な「スイミー」を読んでくれました。

冒頭、タイトルを読む息子。

速攻、ストップをかける母。

息子「ス⤴イミー⤵」

私「ス⤵イミー⤵」

なのですよ。

関西弁とくくっていいいのか、田辺なのか龍神なのか、とにかく単語の抑揚が激しいのです。

下から上に上がるというか真ん中にアクセントが来る時が多いのですが、まさか「スイミー」までそうなるとは・・

イントネーションが私が思っていたのとあまりにも違うものでしたので思わず音読を止めてしまいました。レオ・レオニに関しては矢印でいよいよ表現できません。

どうやら学校で、先生とみんなで音読するときは、こちらの抑揚で読むそうで、これには本当に驚かされました。

また別の日、「ミリ―のすてきなぼうし」という素敵な物語を音読してくれました。

いつものごとく、イントネーションが私の想像を遥かに越してきますがそこはドンと構えます。もう動揺しません。

挿絵や話の内容から、ミリ―はどうやらロンドンのようなレンガ作りの建物が立ち並ぶ素敵な街に住んでいるようでした。そして、自分に合う帽子を探しに出かけます。

ミリ―はあるエレガントな帽子屋さんに入りました。店主は紳士的でいかにもイギリスらしいなぁと想像が膨らみます。

そして、ジェントルな店主はミリ―にお勧めの帽子を見せると、ミリ―は大変気に入り、ひとこと、こういうのです。

「じゃあ、これにしますわ。」


・・・皆さんはどう読みましたか?

息子はというと「じゃあ⤵、これに⤴します⤴わぁ⤵」

「ほな、これにしますわぁ」的に!!

ロンドンだった舞台が一転、大阪に!

ミリ―がいきなりナニワの商人(あきんど)に!

「これにしますわ」の「わ」はきっと「うふっ♡」が付くくらいの素敵なお嬢様の口ぶりなはずなのに!


いゃ〜、さすがに動揺してしまいました。

抑揚の違いでこんなにも世界観が変わってしまうのだから、この時ばかりはその教育は大丈夫なのか?とちょっと疑問に思いました。

そんな息子に「標準語で音読してごらん」と言ったことがあります。

結果、無理でした。

息子はスイミーもミリ―のすてきな帽子もあのイントネーションでインプットされているので、ここで標準語でのアウトプットを要求されても、どもってしまい読めませんでした。

面白いですね。息子も娘も家庭内では完全なる標準語ですが、特に小5の息子は学校や友達と電話で話しているときは完全なる龍神弁でしゃべっているのです。

うちに友達が遊びに来たときに友達には龍神弁、私には標準語で話している時はすごいなと思います。

子供たちはバイリンガルになりそうですね。

この記事を書いた人

さとこさん

埼玉県出身。3年間の海外生活以外は実家を出たことがない。 子供英会話講師など英語に関わる仕事を続けて、友人の紹介でテレビ番組の翻訳業務に就き、テレビディレクターである今の夫と結婚。東京でのママ生活を満喫していた。ところが、2012年夏、夫の「龍神村へ移住したい」の一声で当時2歳の息子と3人の移住決定。今は長女にも恵まれ、親族も友達もいなかった関西の、しかも山奥での私の暮らしが続いている。