龍神の葉っぱのフレディ

Writen by 松本 麻佐子さん

山が、秋めいて、あか、だいだい、きいろ、みどり。

秋になっても、真っ赤にならない、龍神の山々が、私は好きです。

最近、出勤時、できるだけ歩くようにしていたら、
気づくことがたくさんあって。

昔は、こんな小さな世界から出たいと思って、都会に出てみたのに、
私が小さな世界だと思い込んでいた、このたった1キロにも満たない、
何の変哲もない道の中にも、
大きな世界があるということに気づきました。

というより、自分の眼差しをどこに向けるか、で
世界の見え方は変わるんだ、という当たり前のことを、
日々歩く中で、静かに教えてもらった感じ。

いわゆる人間の言う、進化、テクノロジーに躍起になって、
人として生きるために必要な何かを、見落としていたような、
コロナ禍で感じる、こうなることを自然(Nature)に見透かされていたような、
その感覚を、また歩きながら、ひしひしと感じたり。

徒歩10分ちょっとしかない、道を、毎日歩いていると、

【注意:たった徒歩10分で??と思ったそこのアナタ!田舎はなかなか歩かないんですよっ(←私だけではないアピール。笑)歩くことに、おっくうな田舎人です、ハイ。】

最初は、なんてことはないのだけど、
鈍感だった感覚が、だんだん焦点が合ってくるかのように、
ちょっとずつ、目に見える、いろんな景色の変化に
気付き始める自分がいました。

だんだん木の色が変わってきたり、
朝日と木々のコントラストがなんとも美しかったり、
特に、朝の出勤時は、空気も澄んでいて、太陽もピカピカで、それだけでも心地よく、
上から垂れてくる青々とした葉っぱや、昨日は咲いてなかったはずの花の色に感動し、
スマホを手放せません。笑

花を写メって、ググって、花言葉を調べ、
昔の人が考えた、その花言葉にさえも、文化を感じ、じわっと感動する。

最近の、私のルーティン。笑


今日は、
昼どきに歩いてたんです。

そうしたら、ブワッとどこからか風が吹いて、

カラカラカラカラカラカラカラカラ・・・・・・・・

カラカラカラカラカラカラカラカラ・・・・・・・・

ジブリの「もののけ姫」のこだまって分かりますか?

あの声みたいな、
生きものの声?というほど、すごい音で。

木々の葉と葉がこすれ合って、もみ合って、落ちていく、音。

葉っぱのフレディを思い出し、
なんとも感慨深い気持ちになりました。

いいタイミングではなかなか撮れなかったのですが、
撮ってみたので、動画をどうぞ。



最近読んだ本で、書いていたことが、
やっぱりこんな賢い人でもそう思うんだ、、、と気になったので、
ちょっとプロローグの言葉を紹介して、終わりたいと思います。

「それは、端的に言えば、バイオつまり生命現象が、本来的にテクノロジーの対象となり難いものだからである。工学的な操作、産業上の規格、効率よい再現性。そのようなものになじまないものとして、生命があるからだ。」

新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか
福岡伸一著
この記事を書いた人

松本 麻佐子さん

田辺市龍神村出身。高校から村を出ていたので、10年ぶりの龍神村・田舎暮らし。家具屋の長女。関大卒、大阪での広告代理店勤務を経て、26歳の時にUターン。家業の「道の駅龍游」と「G.WORKS」を行ったり来たりの日々。どこに住んでも、いいとこ、あかんとこあると思ってます。でも、できるだけ「いいとこ」を見つけて、日々過ごしたい。このたなごこちライターを通して、私自身も地元の新しい発見ができたらと思っています。