納豆?
龍神に住んでいると「納豆」という単語をよく耳にします。
「納豆で?」
「納豆な?」
「納豆よ?」
「納豆すら?」
ってな具合で。
移住当初は「関西人は納豆が苦手と聞いていたけどイマドキはそうではないのかな」なんて思っていました。
しかし、会話の途中でも「納豆」は予告なく出てくるし、顔を合わせた矢先に「納豆な?」と唐突に言われるときがあります。
言われるたびに、私の頭の中は「納豆イメージ映像」でいっぱいになります。
流石に納豆の撮れ高が高すぎる、と、疑問に思い始めた頃、やっと謎が解けました。
「なっとう」それは「納豆」ではなく「どう?」みたいな意味がある様です。
「これどうするの?」は「これなっとうするん?」など。
風邪ひいて復活した時、会った友達に開口一番「なっとうな?」と言われたのは「(体の調子)どうよ?」みたいな感じだったみたいです。
龍神だけではなく田辺市のある紀南地方の方言だとも聞きます。
また、こんなことも。
私は移住当初、運転中に見る不思議な看板に翻弄されていました。
「つれもてしよら シートベルト」
・
・
・
なんじゃそリャーーー!!
こんな意味不明な看板があったら運転中に気が散って逆に事故ってしまうわ!
隠語か?トラップか?
私は同じ看板の前を通るたびに一文字一文字読もうと努力しました。
完全なるよそ見運転です。
でも数回見ただけでは運転中ですので「つ・れ・も・て・し・よ・ら」を全部読むことができないのです。
そして解読したところで意味不明なのです。
意味不明な交通安全標語に意味はあるのかい?と思っていました。
ある日、気がつきました。うちにも「つれもてしよら」ペンがあることに。
私に「つれもてしよら」が付きまとってくる!
・
・
・
どうやら「つれもて」=「一緒に」、「しよら」=「しよう」という意味で「みんなで一緒にシートベルトをしよう」という交通安全標語らしいです。
和歌山県はシートベルト着用率が低いそうで、きっと和歌山県人にビシッと刺さる方言での標語になったのかもしれませんね。確かに子供達にシートベルトをしない親御さんは多いなと保育園の送り迎えの時に思ったのも事実です。みなさんどうぞ「つれもてしよらシートベルト」
でも、「ら」で終わる文章ってなかなかないですよね。「行こうよ」=「いこら」と言う具合になります。
昔、海外に住んでいた時、会話の中でわからない英単語があったら
「その単語どういう意味?」となるべく聞く様にしていました。
そして現在、龍神に住んでいてローカルっ子と話をしていて分からない龍神弁やら紀南弁やら和歌山弁が出てきたら恥じることなく意味を教えてもらう様にしています。
「さとこさんと話す時は龍神弁でん様にしとるで。」と言われますが「いえいえ、十分出てますよ」って感じです。
いまだに否定文なのか肯定文なのか分からない時があるのはやはり方言の難しさなのだなと痛感しています。