とにかく田舎の夜は真っ暗。  都会暮らしの人は多分その“黒”を見たことがない

Writen by 杉原 功修さん

11月8日の夜、皆既月食でした。ここ大塔でも少し雲がありましたがとても綺麗に見え、月が天王星を隠す「天王星食」も双眼鏡で薄い青色が見えました。

これも山奥の田舎が暗いおかげかな。

でも私は移住してこの暗さにどうも慣れません。移住して漆黒の闇を経験したからかもしれませんね。  都会は光に溢れています。住居の近くには街灯が多くありますし繁華街に行くと色んな光に誘われます(個人的には一番好きかも)。

移住して間もない頃、月が出ない新月でおまけに曇天の夜道を歩いている時に懐中電灯を落として壊してしまいました。

瞬間、もう周りはうるしの黒色を塗り込めたかのように、濃密な闇です。目の前まで人が近寄ってきて鼻をつままれるまで分からないような。。。もうパニックです。

「どうしよう~!」と暫くしていると携帯を持っているのに気づき、その光で難を逃れました。

次の日近所の人に話すと「とにかく田舎の夜は真っ暗。都会で生活した人はその“黒”を見たことがないからね」と言われ。。。

「そんなときは慌てずに1分待ってみい、1分待ったらじわ~っと(周囲が)見えてくる」(そうかな~と今でも思っていますが。。)とにかく暗闇の中で踏み出す一歩が「命取り」になると説明されました。

皆さんは「街灯を沢山設置すれば良いのでは?」と思われるかもしれませんが、田舎に少ないのにはそれなりの理由があります。

一つは維持費で、設置は行政からの補助がありますが限界集落の会費でなかなか難しい面が有るのです。もう一つは街灯にあつまる虫です、山奥の自販機を見たことがありますか?もう虫のたまり場です。家の近くに有ればたまったものではありません。 

農地(特に果樹園)近くでは夜間の明かりはカメムシ類やその他の害虫を誘います。
なかなか難しい面が有るので街灯を増やすのは厳しいです。

そんな田舎の闇ですが、山からでる月や星の綺麗さを見ると「ま~いいっか!」と思う田舎生活です。

最後まで読んで頂いて有難うございます。

この記事を書いた人

杉原 功修さん

大阪八尾市から移住して3年になるUターン組です。畑仕事を中心に趣味の帆船模型作り、アマチュア無線、真空管ラジオ・アンプ作りと田舎生活を満喫しています。暮らしを中心に田舎の良さをお伝え出来ればと思います。