龍神村自宅からちょっと気軽に行ける観光スポット

Writen by さとこさん

黄砂が大量飛来すると言われたこの日、高野山へ行ってきました。

壇上伽藍
桜がまだ咲いています


高野山へは自宅から車で1時間50分くらいですが、信号は5箇所。ご存知の様に龍神村は細長く、日高川町寄りの我が家から高野山へは村内で一番遠いので、同じ村内でも龍神温泉辺りからですと1時間ちょっとで着くのではないでしょうか。
龍神村から高野山に行くには、高野龍神スカイラインという憧れる人は憧れる酔う人は酔う山道を通っていきます。通行料は無料です。

高野龍神スカイラインを車で通りますと、ナビが急に饒舌なるのをご存知ですか?
「奈良県に入りました」「和歌山県に入りました」「奈良県に入りました」「和歌山県に入りました・・」「あ、えっと奈良県にまた入りました」「え?また和歌山県に戻りました・・よね?」ってな具合です。。
嘘です。でも、何十回も和歌山県と奈良県を行き来するのは本当です。県境マニアにはたまらないスポットの一つだと思います。

私が高野山に行く時は、特に計画性もなく、不意に「あ、行きたい」と思う時が吉日って感じです。
コロナ禍では遠慮して伺っていなかった高野山。久々に訪れますと、外国人で溢れていてびっくりしました。「え?ここは外国か?」と思ったほどです。観光バスもたくさん停まっていて、日本人観光客より外国人観光客の方が多かったのは明らかです。

観光客が戻ってきました

お洒落なお店も増え、外国人スタッフのいるカフェも増えている様に思えます。そのようなカフェは外国人のお客さんで満席です。私も今回はそんなカフェの一つでランチをいただきました。

外で順番を待っている私の前に並んでいたのは、フランス人のご家族でした。小学生くらいの少年が「昔懐かし玩具セット」に入っていそうな「けん玉」を持っていたのです。どこかのお土産屋さんで買ったのかな、皿が小さくて赤緑黄の細線が描かれたけん玉です。何度もチャレンジするのですが、なかなか皿に乗りません。お兄ちゃんがトライすると数回に一回は乗りますが、弟のその少年は一度も成功しません。
どうでも良い情報ですけど実は私、けん玉が得意なのです。以前、東京おもちゃ美術館のスタッフを唸らせた過去がございます。けん玉が得意で出しゃばりなおばちゃんのさとこさんがそんな少年を目の前にすればどうなるでしょう。。「ああ、まず持ち方が違うんだよなぁ。ああ、膝を上手に使って、ああ、もっと落ち着いて・・」なんて、ウズウズが止まりません。
そんな私をよそに、少年は難関度の高い剣先入れにチャレンジし始めたのです!!闇雲にけん玉を振り回す少年。イライラが募っている様です。。「ああ、このままでは日本が嫌いになってしまう!」と勝手に心配し始めた時、フランス人家族が呼ばれ両親とお兄ちゃんがカフェに入っていきました。しかし少年は諦めきれず、まだ外で剣先に入れる練習をしているのです。
「食べ物に目もくれず、頑張り屋さんの君、良いね!」なんて心の中で勝手にサムズアップ。フランス人だけどとりあえず英語で「コツを教えるね」なんて言って「まず、ボールを回して・・Wait まだね、まっすぐ持って・・ボールが逆回転になったら・・全集中・・NOW!今よ!!」
どうですか。なんと入りましたよ!!少年は満面の笑顔でガッツポーズ。私も「やったね!」なんて適当に英語で言うと少年は「Thank you, ma’am」と言ってボールが刺さったまま店内に入っていきました。
少年にしたら、異国の日本、しかも高野山という神聖な地で見知らぬ日本人のおばちゃんと共に成し遂げたファーストアカンプリッシュメント!このおばちゃんは忍者か神か!って思ったかもしれません。もしくは、私が錆兎で自分は大岩斬りに成功した炭治郎の気分だったかもしれません。
その後、私も店内へ。少年は剣先入れを練習し続けていました。良き良き、少年よ。サムズアップ。

高野山のカフェでバーガー

あれから一度も成功していない様ですが、この出会いをきっかけに日本を好きになってくれたら良いなと思えた、私にとっても清々しい一日でした。

この記事を書いた人

さとこさん

埼玉県出身。3年間の海外生活以外は実家を出たことがない。 子供英会話講師など英語に関わる仕事を続けて、友人の紹介でテレビ番組の翻訳業務に就き、テレビディレクターである今の夫と結婚。東京でのママ生活を満喫していた。ところが、2012年夏、夫の「龍神村へ移住したい」の一声で当時2歳の息子と3人の移住決定。今は長女にも恵まれ、親族も友達もいなかった関西の、しかも山奥での私の暮らしが続いている。