呼吸しながら生きていく。

Writen by 松本 麻佐子さん

先日、久しぶりに龍神村から下山した。(都会の友だちにウケが良いので、以来、都会に出ることをそう呼んでいる。笑)

車で環状線をビュンビュン走り、大阪池田ICで上陸、大阪梅田駅で友だちと待ち合わせ、街ぶら、美術館、ショッピング。いい気分。

私は絵を見るのが好きなので、美術館の展示会は、都会に住むメリットの一つだな、と改めて感じる。田舎からだと、正直なかなか億劫。「行きたかったー、、、」と、期間が終わってから思うことも多い。

そんなこんなで、結構歩き回り、そろそろひと休憩したいな、と大阪駅まわりで休憩スポット探すも、週末だったこともあり、カフェも全然空いてない。

なんとか見つけた、LUCUA1100の9階のカフェ。席は満席、ちょっと待ってみても空かず、結局、隣の有料ラウンジ、一人1時間600円。友だちと二人で1200円、飲み物は隣のカフェのものなので、飲み物代は別で、である。

都会住みの弟が言ってた、友だちの名言「都会は息するだけで金かかる」。

これまた、うまいこと言うね、と思ったのと、

もう一つ、

それくらい、パーソナルスペースの少ない、都会の生きづらさを思った。

ほんのちょっと座りたいだけでも、そんな、タダで優しい場所なんて、都会には全然ない。

お金払ってカフェに入っても、窮屈だったり、隣の席が賑やかで仕事にならなかったり、正直、都会は場所が限られているがゆえに、いろいろある。

私の大阪時代は、トイレと、会社のデスク、自分の家が唯一、私だけの空間だったなーと思い出す。


和歌山に帰ってきて、ただちょっと休みたい、ぼーっとしたい、そんな場所がたくさんあるのは、私にとってはとても嬉しいことだった。

というか、ぼーっとする時間は、人にとって必要な時間だと思っている。今の生き方を考え直したり、何かのサインに自分が気付ける、大切な時間だと思っているから。

 

せっかくなので、一つだけ私の大好きな、ぼーっとスポットをご紹介したい。

今も、その場所でこれを書いているのだが、我らが田辺市にある、和歌山県立情報交流センター「Big・U」(ビッグユー)。

仕事に集中したい時、読書したい時、別に何もしたくない時も、よく利用させてもらっている。

Uの字にぐるっと円形になっている、施設内。席はたくさんあるし、人と人との距離も、いい感じに空いている。ちらっと横を見ると、学生たちも多く、勉強に励んでいる。

ちょっと疲れたなーと思ったら、真ん中あたりにUカフェがあり、コーヒーでひと休憩したりもする。

あと、何より、中庭。

眺めているだけで、こころ落ち着く。

中庭のテラスでランチとか、本当にいい時間だなと思う。

自分で握ったおにぎりと、行きの途中、コンビニで買ったスープをすすりながら、ピカピカの太陽の下でほお張る、おにぎり。うむ、うまーい!

そして、夕暮れ時は、これまた素晴らしいのだ。

息ができる、胸いっぱいに。

そのありがたみを、改めて噛み締めている。

この記事を書いた人

松本 麻佐子さん

田辺市龍神村出身。高校から村を出ていたので、10年ぶりの龍神村・田舎暮らし。家具屋の長女。関大卒、大阪での広告代理店勤務を経て、26歳の時にUターン。家業の「道の駅龍游」と「G.WORKS」を行ったり来たりの日々。どこに住んでも、いいとこ、あかんとこあると思ってます。でも、できるだけ「いいとこ」を見つけて、日々過ごしたい。このたなごこちライターを通して、私自身も地元の新しい発見ができたらと思っています。