我が家のツバメ

Writen by さとこさん

ウグイスのさえずりを聞き、トビのご夫婦の求愛ディスプレイ飛行も見ました。春ですね。

東京に住んでいた頃は、どうやって「春だな」と感じていたのかな?と思うほど、東京の春を忘れてしまいました。きっと、靖国神社の標本木の開花をニュースで見て実感していたのかなと思います。
今はイソヒヨドリのオスが綺麗な青色になり始めたから春だな、とか、ヒサカキの花の漬物のような独特の匂いがし始めたから春だなと思うようになりました。
自然と共にいるなと実感しております。

鳥の話といえば、私が去年のツバメの様子を記事にしていない事にお気づきの方はいらっしゃるでしょうか。毎年、ツバメのヒナを襲いに来るアオダイショウとの知恵比べが繰り広げられる我が家。

去年、私たちは「絶対にアオダイショウからヒナを守る!」という強い志を持って準備に取りかかり、小学4年生の娘も自由研究用に毎日記録をとり続けました。
(準備の様子は過去の記事「マルサの女」をご覧ください。)

しかし、元気にしていたヒナは孵化10日後の朝、突然消えていました。その前日に145cmほどの大きなアオダイショウを見たとの隣人からの情報もあり、そのアオダイショウにやられたのかと思います。145cmのアオダイショウは私たちの想像を遥かに超える長さでした。

今回はアオダイショウが壁を登ってこられないように、プチプチ側を裏にした緩衝材を壁に貼りました。(ただ緩衝剤はせいぜい1mくらいのアオダイショウを想定して貼り付けました。検証したところ145cmのアオダイショウなら簡単に巣に届くと判明しました。)

市販の蛇忌避剤はもちろん、結界のように粉状唐辛子を撒き、祈りを捧げるかのように常にペット用蚊取り線香を焚きました。ただ、そんな魔法使いが住むような玄関ポーチを、カナヘビが平気な顔をして横切った時は膝から崩れ落ちるほどがっかりしたものです。

某番組「ダーウィンが○た!」の企画で「自由研究をお助け企画」なるものがあり、「ツバメの巣を襲いにくるアオダイショウ対策を教えて欲しい」と応募をしてみました。残念ながらその企画は通りませんでしたが、ツバメの観察を記録した娘の自由研究「今年もツバメがやってきた ~ツバメよ、道の駅へ行ってくれ〜」は金賞を取り、和歌山県の科学展に出展されました。また、南方熊楠顕彰館からは「てんぎゃんクマグス賞」を受賞いたしました。

娘の自由研究の感想には「対策をしたのに私の身長よりも長いアオダイショウに襲われ悲しかった。でもアオダイショウも生きているのだから、自然はすごいなと改めて思った。」と書いてありました。
私はこれまでツバメを応援してきて、ツバメのヒナを襲うアオダイショウを敵視していましたが、「アオダイショウも生きるためには仕方がない」ということを納得して受け入れた娘を見て心が洗われました。と同時に、顕彰館からのコメントのように「ツバメは昔から人々に見守られながら命をつないでいる」ので、なんとかして守りたいという想いも未だあります。

そうこう悩んで答えの出ぬまま、もうすぐツバメの飛来の時期がやってきます。

この記事を書いた人

さとこさん

埼玉県出身。3年間の海外生活以外は実家を出たことがない。 子供英会話講師など英語に関わる仕事を続けて、友人の紹介でテレビ番組の翻訳業務に就き、テレビディレクターである今の夫と結婚。東京でのママ生活を満喫していた。ところが、2012年夏、夫の「龍神村へ移住したい」の一声で当時2歳の息子と3人の移住決定。今は長女にも恵まれ、親族も友達もいなかった関西の、しかも山奥での私の暮らしが続いている。